エジプト在留邦人・旅行者の皆様へ
平成23年3月10日
在エジプト日本国大使館領事部
デモ・集会等に関する注意(平成23年3月10日付)
1 エジプトにおいては、2月の大統領辞任以降も、政治運動団体等はデモや集会を呼びかけ、毎週金曜日にはカイロ中心部タハリール広場、モハンデシーン地区ムスタファ・マフムード・モスク前等で規模の大きなデモや集会が行われています。国家運営を暫定的に行っている国軍最高会議は、3月19日に憲法改正案の国民投票を行うことを発表する等政治プロセスを進行していますが、一部市民は、それぞれのアピールを行うために金曜日以外もタハリール広場等に留まっていました。
○ 昨日9日、タハリール広場にて異なるデモ隊の間で投石等を行う衝突が発生したため、軍により付近交通が遮断されました。この影響により考古学博物館は急遽閉鎖され、館外への移動が一時的に制限されたとの情報もあります。
○ コプト教徒による抗議活動等は、カイロ中心部所在の国営テレビ局前において連日行われており、一昨日8日には、カイロ東部ムカッタム地区、マンシェット・ナーセル地区においてコプト教徒とイスラム教徒の間で衝突があり、多数の死傷者が出ました。この衝突前後の数時間は、カイロ市中心部とカイロ空港方面を結ぶオートストラッド道路が封鎖されました。
○ 先週末には内務省所属の治安機関を対象とした抗議活動、デモ隊による関連施設への侵入、放火等が、アレキサンドリア県、カイロ県、ギザ県、シッタ・オクトーバー県、ケナ県、ベニスエフ県、カルユービーヤ県で発生しています。
○ その他、公務員、労働者等による賃上げや労働条件改善等を要求するデモやスト、エジプト周辺諸国情勢に関するアピール等も、曜日や地域を問わず、各都市の関連する施設付近にて行われています。
明日11日金曜日は、一部政治運動団体等により、タハリール広場からヘルワン・ソル地区までのデモ行進を行う呼びかけが行われています。軍は、警察とともに治安維持に努めている状況にありますが、デモや集会に関連した混乱や衝突等は、今後も時間や場所を問わず突発的に発生する可能性があります。特に、金曜日昼のイスラム教の礼拝後には、人々が集まる傾向が高く、群集心理に起因して緊張が高まる可能性は否定できません。混乱や衝突に至らない場合でも、多数の人が1か所に集中して事故に巻き込まれる危険性や交通規制により人や車の移動が困難となる可能性があります。
2 つきましては、デモや集会が行われる可能性があるタハリール広場、内務省(地方機関を含む。)、首相府等各省庁、裁判所、議会等の政府関連機関、国営テレビ局(タハリール広場北方に所在)、宗教施設付近、外国公館やその他大勢の人が集まる公共の場所には不要不急の場合は近づかない、周囲の状況に注意する等、自らの安全確保に十分な注意を払ってください。
また、不測の事態に巻き込まれることを避けるため、現地報道等にも注意を払い、最新の関連情報の入手に努めてください。万一、デモや集会に遭遇した場合は、決して近づくことなく、すぐに現場から離れてください。また、デモ・集会や警備状況を写真撮影することは控えてください。
以上については、金曜日以外の日においても十分な注意を払ってください。
3 夜間外出禁止令は、カイロ県、ギザ県、カルユービーヤ県、ヘルワン県、シッタ・オクトーバー県、アレキサンドリア県、スエズ県に、深夜午前0時から早朝午前6時までの間で継続して発令されています。
また、この度の騒乱状態に乗じた刑務所からの脱獄者の存在、犯罪の発生等、警察力の低下を含め、治安情勢は未だ従前の状況にまで戻っているとは言えない状況にあります。
したがいまして、外出禁止時間帯の外出は厳に控えるとともに、その他時間帯の外出時も身分証明書を必ず携行し、単独行動は避け、夜間は車の移動の際も十分注意してください。また、自宅や勤務先等では戸締まりを厳重にするなど防犯に努めてください。
在エジプト日本国大使館領事部
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