今回花子が取材したのは、ヘリオポリスのフェアモントホテルにある和食レストラン、「HAIKU」です。ここは、なんと日本人シェフがいるのです!高まる花子の期待。と、同時に高まるシェフのハードル。
お店は、ホテルのふたつのメインの建物を結ぶ連結部分に、他のレストランやバーなどとともにあります。スタイリッシュだけれど開放的な造りの店の周りには水が流れ、ときどき生演奏も聞こえてきます。(ちょっと賑やかすぎると感じることも・・・)
店と厨房を仕切る冷蔵ケースの中のネタの鮮度と、機能的で清潔な厨房が、日本人に安心感を与えてくれます。メインシェフは、日本人の瀬戸本(せともと)秀人さん。神戸出身で、こちらへ赴任して7カ月。「HAIKU」の開店からかかわっていらっしゃる、やさしそうな目の奥に、情熱を秘めた方です。さて、お味のほうは・・・?
✿メニュー紹介&花子の勝手にランキング✿
瀬戸本シェフおすすめのお料理の数々をいただいてみると、どれもこれも甲乙つけがたいおいしさ。ランキングも、票が割れることしばしば。「これでご飯を食べたい!」「これで朝まで酒が飲みたい!」「ここのうちの子になりたい!(ウソです)」と絶賛の嵐。
ということで、全体を通してのランキングはとーっても難しく、前菜、巻き物、などと部門ごとのランキングとさせていただきました。
前菜 APPETIZERS
✿サーモン生春巻き5個 69LE ← 前菜おススメ✿No.1
サーモン、エビ、マンゴーなどの生春巻きを、タヒーナ・ソバだれ・スイートチリソースを混ぜたソースでいただきます。甘めのゴマだれといった感じのソースが、ありそうでない味です。前菜はどれもおいしく、花子の間でも票が割れましたが、僅差で生春巻きが一位です。
・刺身サラダ 86LE
サーモンと野菜、ワカメ、プラムに、プラムソース・しょうゆ・にんにく・玉ねぎなどで作った、シェフオリジナルの和風ドレッシングがかかっています。揚げた千切りじゃがいものサクサク感も含め、食感と甘味と塩味のバランスがとてもいいひと品です。
・天婦羅盛り合わせ 83LE
エビ三尾と白身魚に、各種野菜の天婦羅の盛り合わせ。
プリプリのエビはもちろん、末広にしたナスやソバで、見た目の美しさも満足。
ソバは香ばしく、お酒がすすみそう(日本酒があります)。
お酒やみりんを使っていないというのに、深い味の天つゆがついてきますが、瀬戸本さんがいらっしゃる時は、「塩でね」などというお願いもきいていただけるそうです。
・鶏から揚げ 46LE
しょうゆとベジタブルストック(野菜と昆布、しいたけのストック。みりんの代用に瀬戸本さんが考案されたそうです)につけた鶏肉のから揚げです。ジューシーで中までよく味がしみ込んでいます。酸味のあるしょうゆベースのタレがついてきます。ベジタブルストックのせいか、タレなしだと甘みを感じます。タレはちょっと辛く、そのままで食べたり、タレをつけたり、二通りの味が楽しめそうです。
寿司・刺身 COMBINATION PLATERS
・スペシャルコンビネーション(寿司7種、刺身3種盛り合わせ) 150LE
サーモン、マグロ、スズキの刺身3種に、うなぎ、マグロ、イカ、蒸しエビ、スズキ、
アボカド、サーモンの握り7種の盛り合わせ。
ネタの鮮度もさることながら、「シャリがおいしい!」
炊き具合、寿司酢の加減が日本人のDNAにぴったりくるのです。水加減を伺ったところ、かなり硬めに炊きあがりそうなのに、不思議とおいしい。さすがプロ。
「箸なんか使わないで、手でつまんで食べたくなるね」とはある花子の弁。
ここでの人気✿No.1は、「スズキの刺身」でした。レモンをちょっと絞ってしょうゆでいただくと・・・。エジプトの白身魚に納得のいかない方も、ぜひお試しあれ。
巻き物
・巻き物盛り合わせ
「きれい!」「おいしそう!」と大歓声が上がったのが、この巻き物盛り合わせと後述のナイルロール、鴨ロール。具も、ひとひねり、ふたひねりの工夫がこらされていました。
ぜひ数人で数種オーダーし、シェアすることをおススメします。
✿レインボーロール(きゅうり、アボカド、アグロ、サケ、イカ、 )60LE
・・・巻き物おススメ✿No.1
まわりをサケ、マグロ、イカ、きゅうりで巻いてあり、お得感たっぷり。下に真っ赤なビーツのソースが巻いてあるのも、鮮やかできれいです。イカの甘みと食感が生きています。
・ドラゴンロール(大エビのフライ、アボカド、マヨネーズ) 110LE
大エビのフライをダイナミックに巻いてあります。ぜひ、添えてある頭の中までほじくって食べてください。ミソが激ウマです。
・カリフォルニアロール(エビ、アボカド、卵焼き、きゅうり、トビコ、マヨネーズ) 63LE
「カリフォルニアロール」といえば、エビ、アボカド、マヨネーズ。でも、ここのカリフォルニアロールは、それぞれが目立たず、卵焼きやきゅうりとほどよく調和しています。「今まで食べたカリフォルニアロールの中でNo.1」とつぶやいた花子の言葉に深く納得。
・ガリと薄焼き卵の巻き寿司
単品でメニューにはのっていませんが、盛り合わせをオーダーするなら、ぜひ加えていただきたいひと品。刻んだガリでうすいピンクにしたシャリを、お花の形に巻きこみ、まわりを薄焼き卵で巻いた、変わり寿司です。ちょっとお口直し、という時にぴったり。見た目が可愛いので、ガリが食べられるならばお子様にも。
・番外・・・トビコ3種
つまみに意外な人気を博したのが、赤・緑・黒の3種のトビコ。特に、緑色のトビコはワサビ風味で、一同これをキープしちびちびとつまみに。
✿ナイルロール(うなぎ、たくあん、きゅうり、マヨネーズ)・・・花子国際交流賞
ウナギとたくあんを、キュウリで巻いたもの。たくあんの酸味と甘みとキュウリとで、
ウナギの脂っぽさは見事に調和されて、さわやかな後味です。お皿に、マヨネーズを使ってアラビックで「welcome」、「HAIKU」と書かれているとのこと。
デザートプレートのような美しさです。
・鴨ロール(鴨、クリームチーズ、きゅうり、リンゴソース、マスタード)
クリームチーズと柔らかい鴨、甘酸っぱいリンゴソースのコンビネーションは、お寿司とは思えない新しい味。赤ワインにも合いそうで、海外の方にも好評なのでは?
✿ナイルロール
お皿にはマヨネーズで「welcome」「HAIKU」
メイン MAIN DISHES
ここにたどり着く頃にはお腹いっぱい。お寿司をつい食べ過ぎてしまうのです。
しかし、しかし、さらにご飯が食べたくなるメインの数々。
今回ご紹介する3種のメイン料理は、どれも「これでご飯が3杯は食べられます」的な、ダイエットにはものすごーーく不向きなお料理です。残念なことに、それぞれ白ご飯と香の物がついてくるので、間違いなく食べてしまいます。
✿本日の鮮魚(この日は、スズキのスパイシーソース) 時価 ・・・メインおススメ✿No.1
「本日の」魚料理なので、いつもあるとは限らないのですが、この日、花子来店に合わせたかのように届いたスズキを焼き、マヨネーズベースにニンニク、豆板醤、タバスコなどを使ったちょっと辛いソースをかけたこのお料理は、一同「うーん」とうなるおいしさでした。淡白な白身に、濃厚なソースがよく合います。
・ガーリック・プローン 165LE
火を通してなお大きなエビが4尾も!ガーリックバターソースは濃厚ですが、しつこくなく食べられます。
・サイコロステーキ 160LE
肉が柔らかく、あっさりとした味付けなのに、臭みが全くないのです!辛味噌がついてくるので、ちょっとつけて食べるのもおいしい。付け合わせの、肉汁のしみた野菜炒めもおススメです。
デザート DESSERT
「デザートには、自家製の抹茶アイスと豆腐のチーズケーキもあるのですが、チーズケーキがあまり良いコンディションではないので、お出しすることができません。アイスクリームの天婦羅がおすすめです」と、瀬戸本さん。料理人としては当たり前のことなのかもしれませんが、正直にお仕事をなさっている姿勢にこのお店の自信を感じます。
・アイスクリームの天婦羅
衣がサクサクのアイスの天婦羅に、キドニービーンズをあんこ風に煮たもの(つぶあんそのもの!)と、イチゴとブルーベリーのソース、キウイソースが添えてあります。結構大きいのに、食べてしまいました・・・。
・フルーツ盛り合わせ
番外おススメ
レモンジュース(25LE)をオーダーした花子数名。
なんと、運ばれてきたのは、レモンジュースでできた氷の入ったグラス、レモンジュースの入ったピッチャー、ガムシロップでした。氷が解けてもジュースが薄まらず、甘みが自分で調整できるのです。こんなこじゃれたサービスを提供するお店がエジプトにあるとは、ちょっとびっくり。
ちなみにミントレモンジュースは、やはりレモンジュースの氷に、少なめのシロップ、
ミントレモンジュースで、お口直しにとてもよかったです。
食後のお茶 土瓶風ポットをさらにウォーマーで温めて出してくれる心遣い! 緑茶にハチミツ、ミント、レモンが添えられています。
飲み物
日本酒、梅酒、アサヒビールがあります!
日本酒・梅酒は1/2合で100LE、アサヒビールは小瓶で75LE。残念ながら、取材当日アサヒビールはありませんでした。日本酒は、ぬる燗でした。甘めですが「Karakuchi」というお酒がおススメ。もう一種の「Ginkan」は甘口です。
その他タイのシンハー、シンガポールのタイガービール、コロナもあります。ワインはイタリア、カリフォルニア、南ア、フランスと揃っています。
お値段は、エジプトだけあり、やはり高価。でも、充実のワインリストは見ているだけでも楽しいものです。
瀬戸本さんを中心としたスタッフのサービスとお味に、時間を忘れたひとときでした。
材料の供給が一定でなかったり、エジプト人スタッフへの指導など、ご苦労が多い中で、これだけの質のサービスと味を提供されていることに頭が下がります。
例えば・・・「あんまり早く、お皿を下げないね」という花子のひとこと。エジプトで、「料理が出るのは遅いのに、下げるのは早すぎ!」と腹を立てた経験は、みなさんおありではないでしょうか。「レッサ!!」というアラビア語はカイロに来てかなり早い時期に覚えました。ここでは、ところどころで日本的な心遣いが感じられ、居心地がよかったです。
みなさんもぜひ、足をお運びくださいませ。
✿花子チェック✿
営業時間 午後6時~午前1時
定休日 火曜日
アクセス ホテルフェアモント ヘリオポリス1F(旧シェラトン・・・タクシーなどでは、シェラトンと言ったほうが早い場合もあるようです)
座席数 62席(うち、喫煙席約20席)
子ども用チェア 4
お手洗い ホテル内トイレ(石けん、タオルあり)
テイクアウェイ 可
デリバリー 不可
住 所 Fairmont HELIOPOLIS, Uruba St. Heliopolis, Cairo
Tel 02-2267-7730/40
現在、夜間のみの営業ですが、みなさんに朗報!
2月20日より、土曜日のブランチが始まります。その名も、「Saturday Order Sushi Brunch」。毎週土曜日、午後2時より午後6時まで。数種の前菜(枝豆、✿オススメのサーモン生春巻きなど)とみそ汁、刺身と巻き物(カリフォルニア巻き、レインボー巻きなど)、握り寿司、デザートが食べ放題、さらにメインがひと品チョイスでき、さらにさらに、エジプト産ハウスワインとソフトドリンクが飲み放題で280LE。(お子様半額、5歳以下無料)
ちょっとリッチなブランチをいかがでしょう?
見てください、このメニュー。メニューがバインダーでとめてあるのですが、バインダーのクリップ部分にお箸がついているんです!