学振懇話会(講演会)のお知らせ 「エジプトの水と灌漑農業」

学振懇話会(講演会)のお知らせ

日 時  2010年11月4日(木曜日) 午後6時半開場、7時開演

場 所  当センター1階多目的室(9 Al-Kamel Muhammad St., Zamalek)

講 師  北村浩二氏(独立行政法人 国際協力機構(JICA)派遣専門家、
エジプト政府水資源灌漑省 農業・水資源政策アドバイザー)
演 題   エジプトの水と灌漑農業

〔入場無料、予約不要。お問い合わせは、大石まで。講演の終了後、恒例の懇親パ―ティを開きます。お気軽にどうぞお越しください。〕

【講師からのメッセージ】
 エジプトは「ナイルの賜物」と言われるように、その水資源のほとんどをナイル川に依存しています。これは、エジプトが乾燥・半乾燥地帯に属しており、国内では降水量が極めて少ないにもかかわらず、ナイル川の上流の国々の熱帯雨林地帯に降った雨によって、安定的に豊富な水量がエジプトにもたらされているからです。
 また、エジプトは水資源の80%以上を灌漑農業に使用しています。エジプトでは、自然の降水を利用した農業がほとんど不可能であることから、ナイル川の水を、堰や水路を利用して圃場まで運搬し、農地に水を供給しています。
 カイロで生活していると、街の中心を流れるナイル川には常に豊富な水量があり、水不足を感じることは、まずありません。
 しかし上流国であるスーダンとの協定に基づいて、エジプトがナイル川から取水できる水量は、年間555億トンと制限されています。また、エジプト国内での年率約3%の人口増加、それに伴う食糧増産の必要性、経済成長などによって、国内における水の需要が大幅に増加しており、上限のある水の供給とのバランスが崩れてきています。そのため、灌漑農業を中心として、限られた水資源をより有効に利用するための努力が必要となってきています。そこで、エジプトの水と灌漑農業の現状、課題、将来へ向けて取り組むべき方向性などについてのお話をできればと思っています。

日本学術振興会カイロ研究連絡センター


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