日本人会会員の皆さまへ
日本学術振興会カイロ研究連絡センターより懇話会のお知らせです。
現在、カイロ市の郊外、モカッタム山の裾野には広漠たる墓地区が広がっています。ここは死者の街と通称され、一般の墓地と歴史的著名人の墓廟が混在している地域です。しかし、歴史を繙けば、この地区は現在より遥かに広大で、壮麗な墓廟や建造物にあふれていました。そして、すでに「中世」には、ヨーロッパ最大級の都市並みの人口を抱えていたのです。ヨーロッパからの訪問者は、ここに荘厳さで比肩できる場所はヨーロッパにないと、嘆息していました。また、死者の街は老若男女が大挙して出かける「エジプト随一の行楽地」でもありました。人々はピラミッドよりも、死者の街の方を好んで訪れていたのです。現在、死者の街は 100 万人を超えると言われる居住者を抱え、あらたな社会問題とされています。
この講演では、死者の街の成り立ちから、現代までの歴史をたどってみます。とくに最盛期の「中世」、そこで行われていた墓参や聖墓参詣の慣行を詳しく紹介し、また人々がそこで求めていた楽しみの実態についても言及します。そのうえで、現在の死者の街の抱える問題の一端にも触れてみたいと思います。
日 時 2010年3月18日(木曜日)午後6時開場、 6 時半開会
場 所 日本学術振興会カイロ研究連絡センター多目的ルーム
( 9 Al-kamel Muhammad St. FlatNo.4 )
(ホームページをご覧ください。 http://jspscairo.com/ )
演 題 カイロ・死者の街―その過去と現在―
講 師 大稔 哲也 氏
(東京大学大学院人文社会系研究科准教授)
講演の終了後、恒例の懇親パ―ティを開きます。どうぞ、お気軽にご参加ください。
お問い合わせは大石まで。
日本学術振興会カイロ研究連絡センター
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